忍者ブログ
サイトの名前
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

先日お邪魔させていただいたヒーローズピッチャープランツでのオープンハウスですが、
見学会的な側面も大きいですが、醍醐味はやはり即売会的なところ!
手ぶらで帰るのも悲しすぎますし、もちろん購入させていただきました!
……とは言っても、予算の都合上あまり高いものも、多くの種類も買えないのですが。
ここであんまり無理すると、食べ物がふえるわかめしかなくなってしまいます。

大株はやはり相応にお高いのですが、入荷したての小苗や、
輸入代行を利用すれば、かなりリーズナブルに購入することも可能です。
高いとは言っても、温室の維持コストもタダではないですし、
輸入苗も順化という大事で大変な作業があるので、良心的な値段であることに間違いないです。
大きく成長するまでの維持コストや時間、順化失敗によるロストのリスクなどの対価と考えれば、
決して高いものではないと思います。

そんな感じで、買ってきたものについて書いてみようと思います。




何かの挿し穂。
何だと思う?これね、ミキプルーンの苗木。

……などではなく、ネペンテス・ベントリコーサの挿し穂です!
しかもなんと、原点にして頂点と名高いあの在来系……!
前回の記事に書いてあった掘出し物とは、この在来系のことだったのです。
オンラインリストには未掲載だったので、まさかあるとは思ってもいませんでした。
とても気になっていた品種なのですが、ネットで見かけてもとんでもない金額。
オークションなんかだと、あっという間に数万は超えてしまいます。
今回売りに出ていた個体は良心的な価格とは思うのですが、それでもやっぱり予算オーバー。
あんまりしょんぼりしていたせいか、なんと挿し穂を用意してくださったのでした。
渡りに船とはまさにこのこと、本当にありがとうございます……!

今でこそ超希少種の仲間入りを果たしてしまいましたが、
かつてはホームセンターにまで並ぶほどの普及種であり、強健種でした。
それゆえに駄物とされて大事に維持する人は少なかったのですが、
海外にも自生地にも現存しない個体群であったため、生産農家の廃業と共に流通が止まり、
次第に姿を消してゆく中、絶える寸前でその価値が見直されたのでした。
似たような経過を辿っている品種は日本には結構あるらしく、
今はホームセンターに流通しているものの、生産農家が一件しかなく、
海外でもほとんど流通していないため、そこが廃業したら終了というものもあるそうです。
どんな種類でも大事にしてあげたいところですね!

さて、この挿し穂ですが、希少種とはいっても強健種。
ベントリコーサの挿木の成功率は非常に高いです。
さらに潜在芽も動き出した状態のため、今後の管理さえ誤らなければ難しいことはありません。
袋がつくのはずっと先のことになると思いますが、
あの白いボディーに薄紅のリップという可憐な袋を、うちでも早く見てみたいものです。




ネペンテス・アッテンボロギ。
2007年に発見された新種です。
最近はメディアに取り上げられる機会も多く、知名度は意外とあるかもしれません。
ネズミを捕食する食虫植物として紹介されていることが多いです。

このイベントの目玉商品であり、これを買いに来たと言っても過言ではないかもしれません。
発見から間もないため、ほとんど流通しておらず、海外のナーセリーから販売されることはありますが、
世界中から注文が殺到するため、文字通り一瞬で売り切れてしまいますが、
なんとか数苗入荷することができたとのことです。
状態のよくない苗は、順化する間もなく溶けて消えてしまうそうですが、
今回の苗は状態がいいらしく、順調に順化中とのこと。
うちに来てからも順化は続行中なので、ベントリ挿し穂と並んで養生用の水苔トロ箱の中にいます。
順化や挿木で大切なのは、腰水と湿度。
腰水とはちょっと違うのですが、常にほんのり湿っているので問題ないと思います。
落ち着くまではこのまま管理しつつ、頃合いを見て鉢替え予定です。
順化が終わる頃には室内栽培に移行してしまうと思われますので、
来年の春以降は他の子と一緒に外に並べてあげられたらいいですねー。

アッテンボロギは国内で育てている人は多くなく、栽培情報なんかもほとんどありません。
うちでの記録が、これから育てようという人の参考になれば嬉しいです。
そうなるためにも、まずは順化を成功させつつ、大きく育つようがんばっていかないと、ですね!

最近この辺りでも、ツクツク法師が鳴くようになりました。
夏もそろそろ終盤戦、夏の終わりはなんだかノスタルジックな寂しさがあります。
風あざみがなんとやら、ってやつです。

それにしても暑い……、暑すぎます。
梅雨の間はとても涼しかったので、明けたら反動がくるだろうなーとは思っていたのですが、
これほどとは……。
本当にとろけてしまいそうな暑さです。
超高温警報なるものも出ているらしく、屋外に出るときは熱中症に注意が必要です。
ウツボカズラ畑は遮光しつつミストシャワーで冷やしており、
下界よりはだいぶ過ごしやすいのですが、それでも暑いです。
39度のとろけそうな日です……。



猛暑の恩恵なのか、アンプラリアの成長が止まりません。
先日紹介したばかりなのですが、あれからすぐに新しい袋を完成させてしまいました。
一番古い袋の蓋が枯れ始めましたが、お役目は十分に果たしたのでしょう。
次の袋も新芽も準備万端といった様子。
現在があまりにも好調なので、この先訪れる冬が心配です。
今の季節の成長率を冬の間も維持するのは無理ですが、できるだけ維持はしたいところ。
成長が完全に止まったり、極端に鈍ったりするようだと冷えすぎで、
今後の育成に支障をきたすので、緩やかに成長を続ける程度には加温予定です。
早くグランドピッチャーも見てみたいですしね!




低地性にはこの上ない環境なのですが、逆に高地性には厳しいです。
アリストリコーサもかなり暑がっており、葉が小さくなってしまいました。
ただ、暑がりはするものの成長を止める気配はなく、さすがはベントリコーサ系交配種だと思います。
こちらはアンプラリアたちとは逆に、涼しくなってから本気を出すタイプなので、これからが楽しみです。
なんだか夏型と冬型のある多肉植物みたいですね!
アリストリコーサは寒さには滅法強いらしく、室内で加湿さえすれば真冬でも無加温で成長するとのこと。
……とはいっても、他の中高地性の子たちとの兼ね合いもあるので、多少の加温はする予定。
耐えられる環境と、適正環境は違いますし。

とにかく、本格的に夏が終わる前に室内栽培の環境を整えていかないと、ですね!




前回のトランカータですが、気付いたらちゃっかり新芽を出してました。
2週間は動かないと思っていたので、嬉しい誤算です。
前回動かない期間がやたら長かったのは、やっぱり環境の急変によるものも大きかった模様。
この調子で月に一度くらいの頻度で袋をつけてくれたらいいんですけどねー。
ネペンテス・トランカータの袋がやっと完成しました!
新芽が伸び始めたのが6月の初め、7月頃に葉っぱが完成したので、トータルで2か月近くかかってます。
ウツボカズラは小さい間は成長が遅く、トランカータ自体の成長の遅さも相まって非常に時間がかかります。



新しい袋が膨らむまでに、前の袋は枯れちゃいましたね……。
ただ、前回のは蔓の状態で待機してる間に環境が大きく変わったこともあり、
開口部がちょっと歪に開いたりしてて、長持ちしなさそうな感じだったので仕方ないかなって。
枯れたのは上半分だけなので、見た目は悪いけど貯水器官としては生きてると思いますし。



新しい袋。
トランカータに限ったことではないのですが、小さな苗は順調だと新しい袋をつける度に、
どんどん大きくなっていくので、見ていて楽しいです!
この袋も、前回より一回り大きくなってます、時間はやたらとかかるけど……!

大きくなったとは言っても、まだまだベビーサイズ。
トランカータっぽさはあるけど、襟もほとんど発達していない幼苗の袋です。
怪物じみた本来の姿を見られるのはいつになることやら……。

次の葉や袋になる新芽が出てくるにも、すごく時間がかかるので、
当分の間は動きのない状態になりそうです。
おっそーーーい!!!
新芽が動き出したら、何かのついでに載せてみようかと思います。


ここで関係ありそうで関係ない、少し関係のあるお話をひとつ。
ハオルチア・オブツーサ・トゥルンカータの『トゥルンカータ』って、
ネペンテスの『トランカータ』と同じ綴りなんですね。
学名の種小名被りなんて珍しいことでもないのですが、なんだか嬉しくなってしまいますね!
今回登場するのは、数あるウツボカズラの交配種の中でも最高傑作と名高い、ネペンテス・ダイエリアナです。
その歴史は非常に古く、1900年イギリスにて作出された古典品種です。
袋の大きさ、美しさもさることながら、非常に成長の早い強健種であることも傑作と云われる所以です。
100年以上前に作出された古典品種にも関わらず、一般に広く普及しているウツボカズラの一つであり、
今の季節であれば、お花屋さんや、ホームセンターにまで並んでいることも珍しくありません。

出回るのは基本的に大株なため、お値段は5000円~程度のことがほとんど。
普通の観葉植物に比べると、ちょっとお高めですが、その抜群の存在感はものすごいです。
とんでもない大きさの袋をつけるため、
『オバケウツボカズラ』として、ちょっとした名物みたいになってます。
……ちなみに滅多に見かけることはないのですが、幼苗であれば600円程度で売られていました。
値段の話ばっかりで、ちょっとお下品な感じになってしまいましたが、うちのダイエリアナさんの紹介です。



幼苗の多いうちのウツボカズラの中では珍しく大株です。
あまりの大きさに棚に乗せられないため、専用のフラワースタンドに乗せてあります。
大きな袋故か、個数のキャパシティは多くなく、鈴生りになるようなタイプではないです。
うちの子は大体常時3個くらいの袋をぶら下げています。
古い袋が枯れ始めると、待機していた蔓の先端が膨らみ始めるという成長の仕方をします。



待機中の袋は横を向いているのですが……



準備ができると、ぐぐっと上を向いてきます。



上を向くと急速に膨らんできます。



蓋が開きました。
特徴的な襟はまだ伸びておらず、蓋が開いた後で完成します。



襟が伸びて、ストライプもバシッと決まれば完成です!
大きさは30センチ以上、人の顔より大きいです。
あまりにも大きいので、風が吹くとぶらぶらと重そうに揺れて、ちょっとかわいそうな気も……。
大きいと肩も凝るのよねー、なんて、そんな台詞を私も吐いてみたいものです。
……………泣いてなんか、ないもん。




……さてと。
この悲しみを乗り越えて、傑作と云われるダイエリアナさんの欠点を書いてみます。
まずは、アイデンティティーであり、長所でもある、その大きさ。
とにかく場所食いで、置き場所にちょっと困ります。
これは次に挙げる欠点にも響いてくるのですが……。

次に、耐寒性はあまりないです。
アンプラリアやグラシリスのように皆無というほどではないのですが、
室内に取り込んだだけの無加温では、枯れなかったとしても極端に調子が悪くなり、
暖かくなってからも、ぐずついてあまり成長せず、
怪物じみた袋が年々小さくなってゆく、という悲しみを背負うことになります。
低温乾燥を嫌うので、何かしらの方法で保護するのですが、
先にも挙げた大きさが仇となって、そのままではワーディアンケースにはまず入りません。
毎年切り戻してワーディアンケースに収納する人も多いみたいです。
簡易温室でもなんでもいいので、とにかくなんとかして加湿加温してあげましょう!



そこさえ気を付けてあげれば、基本的にはとても丈夫な子です。
縞々模様が好きなので、ゴージャスな襟もポイント。
冬にはちょっと手がかかりますが、お気に入りの品種なので、
いつまでも大きな袋をつけさせてあげられるよう、がんばっていきたいところです!
※今回登場するのは以前アラタとして紹介された子です。

今年の梅雨は空っ梅雨と思っていたのですが、雨は降らないくせに曇りばかりで困ってしまいます。
個人的には曇りがちの、部分的にほんの少し青空の見える、そんなお天気が好きなのですが、
園芸的には、そんな天気では日照不足になってしまうので困りものです。
天気雨とか、風で雲が押し流されてゆく様子とかも好きです。

ここ最近は曇りばかりで、写真を撮ってもどうしても色がくすんでしまいますね。
それだけならいいのですが、日照不足のせいか、ここ数日ウツボカズラたちの成長が滞り気味です。
曇ってると湿度は上がるのですが、湿度よりも光のほうが成長に欠かせない要素なのです。
今でもよく、虫さえあげれば水も光もなくても育つのか、と聞かれることが多々ありますが、
世間一般での食虫植物のイメージなんて、そんなものなんだろうなぁ……。



今回は、以前ちらっと登場し、袋が開いたことでその正体が発覚したネペンテス・ベントラータです。
たくさんの袋ができて、とってもにぎやかな鉢になりました。
新しい袋も次々作っている途中なので、数はもっと増えそうです。
小さな株ですが、根は結構発達しているため、袋の個数のキャパシティは多いのかもしれません。

唯一の難点は、袋が全部、図ったように後ろを向いており、正面から見ても全然鑑賞できません。
一冬屋外に放置されたブラック栽培に対する、ささやかな抗議なのかもしれません。
ストライキ的なやつ……?



仕方がないので裏返して袋を撮ってみました。
陽のよく当たった袋は鮮やかなピンク色に染まって綺麗です。

この子はうちに長くいるため環境に慣れているのか、新入りに比べて袋がとても長持ちします。
新入りちゃんの元々付いている袋や、蔓の状態で待機しているものは、
環境の変化のせいか、どうしてもすぐに枯れてしまいます。
うちの環境に来てから出した新芽の、ゼロから作った袋が完成してからが本番って感じです。
ただ、環境の変化や植え付けのショックで成長が滞るので、それが結構かかるんですよねー……。
じっくり待ってあげることも大切ですが、前回のラフレシアナさんみたいなこともあるので難しいです。



こっちの袋はベントリコーサの特徴がよく出てます。
宙ぶらりんの状態よりも、きちんと接地した袋のほうが、ずんぐりむっくり育ちますね。
この鉢も苔を敷いているので、やわらかく適度な湿度で袋にもいい環境かと思います。
ただ、本体がわしゃわしゃと茂っているためトリミングが難しく、あまり綺麗な状態ではないです……。
時間のあるときに、座ってじっくり手入れしてあげたいところです。

個人的には、ずんぐりむっくりの、どっしり座った袋が好きなので、
蔓の先端がきちんと接地するようにしたいところですが、葉っぱは気ままにあっちこっち伸びるので、
どうしても鉢の縁から飛び出してしまいます。
隣の鉢にお邪魔してもいいのですが、それをやると移動がとても大変になってしまいます……。
やっぱり、平鉢みたいな広い鉢に植えたほうがいいのかなぁ……。

もっと大きく育ったら、鉢のタイプについても考えてみたいと思います。
アンプラリアとか、グランドピッチャー出すスペースの問題もありますし!


プロフィール
Author:左沢ねあ
Illustration:森野久真


コンクリートジャングル暮らしの現代エルフ、食虫植物をはじめ、ちょっと変わった植物を育ててます✨

毎週水曜日、日曜日の二回更新されます。
最新記事
(07/14)
(07/03)
(06/30)
(06/26)
(06/23)
最新コメント
[07/04 なまくら]
[07/01 なまくら]
[06/27 なまくら]
[06/23 なまくら]
[06/21 R.n]
[06/20 なまくら]
カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
記事検索


PR



忍者ブログ [PR]