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今回登場するのは、数あるウツボカズラの交配種の中でも最高傑作と名高い、ネペンテス・ダイエリアナです。
その歴史は非常に古く、1900年イギリスにて作出された古典品種です。
袋の大きさ、美しさもさることながら、非常に成長の早い強健種であることも傑作と云われる所以です。
100年以上前に作出された古典品種にも関わらず、一般に広く普及しているウツボカズラの一つであり、
今の季節であれば、お花屋さんや、ホームセンターにまで並んでいることも珍しくありません。

出回るのは基本的に大株なため、お値段は5000円~程度のことがほとんど。
普通の観葉植物に比べると、ちょっとお高めですが、その抜群の存在感はものすごいです。
とんでもない大きさの袋をつけるため、
『オバケウツボカズラ』として、ちょっとした名物みたいになってます。
……ちなみに滅多に見かけることはないのですが、幼苗であれば600円程度で売られていました。
値段の話ばっかりで、ちょっとお下品な感じになってしまいましたが、うちのダイエリアナさんの紹介です。



幼苗の多いうちのウツボカズラの中では珍しく大株です。
あまりの大きさに棚に乗せられないため、専用のフラワースタンドに乗せてあります。
大きな袋故か、個数のキャパシティは多くなく、鈴生りになるようなタイプではないです。
うちの子は大体常時3個くらいの袋をぶら下げています。
古い袋が枯れ始めると、待機していた蔓の先端が膨らみ始めるという成長の仕方をします。



待機中の袋は横を向いているのですが……



準備ができると、ぐぐっと上を向いてきます。



上を向くと急速に膨らんできます。



蓋が開きました。
特徴的な襟はまだ伸びておらず、蓋が開いた後で完成します。



襟が伸びて、ストライプもバシッと決まれば完成です!
大きさは30センチ以上、人の顔より大きいです。
あまりにも大きいので、風が吹くとぶらぶらと重そうに揺れて、ちょっとかわいそうな気も……。
大きいと肩も凝るのよねー、なんて、そんな台詞を私も吐いてみたいものです。
……………泣いてなんか、ないもん。




……さてと。
この悲しみを乗り越えて、傑作と云われるダイエリアナさんの欠点を書いてみます。
まずは、アイデンティティーであり、長所でもある、その大きさ。
とにかく場所食いで、置き場所にちょっと困ります。
これは次に挙げる欠点にも響いてくるのですが……。

次に、耐寒性はあまりないです。
アンプラリアやグラシリスのように皆無というほどではないのですが、
室内に取り込んだだけの無加温では、枯れなかったとしても極端に調子が悪くなり、
暖かくなってからも、ぐずついてあまり成長せず、
怪物じみた袋が年々小さくなってゆく、という悲しみを背負うことになります。
低温乾燥を嫌うので、何かしらの方法で保護するのですが、
先にも挙げた大きさが仇となって、そのままではワーディアンケースにはまず入りません。
毎年切り戻してワーディアンケースに収納する人も多いみたいです。
簡易温室でもなんでもいいので、とにかくなんとかして加湿加温してあげましょう!



そこさえ気を付けてあげれば、基本的にはとても丈夫な子です。
縞々模様が好きなので、ゴージャスな襟もポイント。
冬にはちょっと手がかかりますが、お気に入りの品種なので、
いつまでも大きな袋をつけさせてあげられるよう、がんばっていきたいところです!
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Author:左沢ねあ
Illustration:森野久真


コンクリートジャングル暮らしの現代エルフ、食虫植物をはじめ、ちょっと変わった植物を育ててます✨

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