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雪は降り積もり、大地を白く覆い尽くす。
空は薄暗く黒く濁り、止めどなく降り続く雪。
やがて混沌とした時は過ぎ去り、朝陽が街を満たしてゆく。
輝く太陽が昇る時、私達の願いはきっと届くだろう。
夜が明けるのを信じ、今を進もう。



そんなわけで、前線を伴った寒波の到来によって、こちらは大雪となりました。
画像はネペンテスの屋外栽培スペース。
小春日和だったつい先日まで熱帯高山性植物が並んでいたとは、
にわかに信じ難いレベルで見事に凍り付いています。
雪は音もなく降り出し、遮光用の薄い寒冷紗が一枚張ったままになっており、
気付いたときには上にかなり積もってしまっていました。
慌てて留め具を外して雪を下ろして一安心。
後述しますが、放置してたらたぶん、いろいろなものが壊れていたかと思います……。



作業がてら、ついでに雪だるまも作ったり。
マンリョウの目玉にどんぐりの鼻、葉っぱの耳に枯れ枝のヒゲ。
一見するとうさぎがモチーフのようにも見えますが、なんだこの動物……。



雪ウサギ。
雪の中で、しばらくはしゃいでいましたが、やっぱり寒かったらしく、
ちょっと遊んだらすぐ家の中に帰ってしまったのでした。



雪の降る夜、一夜明けて。
なんだかんだで30センチ以上積もりました。
昨日の段階では薄っすら積もってた感じの栽培棚も、完全に埋まってしまいました。
遮光用寒冷紗、そのままにしてたら完全に台ごと壊れてたやつです。
あとは、屋根から落ちた雪でベランダが完全に埋まったので、それを下ろしたり、
通路の雪かきをしたり、いろいろ大変でした……。
たまに降ると楽しい気分になりますけれど、後始末が大変なのですよねー……。

喉が痛いのはだいぶ収まってきたのですが、頭痛だけはずっと残っています。
ロキソニンが常服薬状態になっているのはよくない兆候なので、なんとかしたいところですが……。
元々偏頭痛持ちなので、頭痛薬は手放せないのですけれど。

まだまだ寒い日も多いですが、時折寒波の和らぐ小春日和もままあります。
そんな日には、植物を外に並べたり、春以降に向けて高地性種の植え替えをしたりするのですが、
そういう屋外での作業の際に、必ず邪魔をしてくるヤツが、うちには居るのです……。



うさぎ。
品種とかは不明ですが、たぶん雑種。
所謂ミニウサギって呼ばれてるやつです。
ケージに入ってるようにも見えますが、基本的には出入り自由です。
うちにやってきたのは去年の春頃、元々は迷子だったのでした。
ものすごい噛み癖で、アグレッシブな性格。
手を出せば噛まれるどころか、わざわざ追いかけてきて噛みます。
たぶんこんな性格だから、捨てられたんだろうなぁ……。
一応警察にも届けてはありましたが、当然落とし主が現れるはずもなく、
そのままの流れでうちで飼う形に……。
こんな凶暴なうさぎをうちで飼うとか、正直気が重かったのですけれど……。



半年もしたらすっかり慣れて、すっかり丸い性格に。
名前を呼べば付いて来るし、常に足元をぐるぐる回っています。
撫でることもできるようにはなりましたが、やっぱり最初の凶暴なイメージが強いので、
まだちょっと怖いです……、第一印象って大事です。
正直なところ、とてもかわいいのですが……。
屋外で作業しているときにはちょっと……いえ、かなり邪魔です。
潅水の際には足元をうろうろしており、濡らさないように気を遣いますし、
枯れ葉の除去や植え替え中には構ってほしくて足を噛んでアピールしてくるので手元が狂いますし、
靴を脱いで縁側に上がって、戻ってくると靴の中でくつろいでますし、
やっと靴から追い出したと思えば、靴の中にうんこしてますし……。
まあ、あまりにも邪魔すぎるときには、ケージの中に戻すんですけどね……。

邪魔だ邪魔だとは言いつつも、やっぱりかわいいですし、
なんだかんだで今となってはすっかり家族の一員なのでした。

今週はやたら暑かった……と思ったら週末辺りから一気に寒くなりました。
秋特有の不安定な気候で困ってしまいますね。
予報ではこれから1週間程続く秋の長雨の予定ですが、
この雨を境に一気に晩秋の気候に入っていくそうです。
現在夜間の取り込みは低地性のみですが、そろそろ高地性の取り込みも常態化しそうです。



Amanita virosa
長々と続いたキノコ企画もこれにて最終回、あと少しだけお付き合いください。
ヴィロサといえばネペンテスの中でも3000メートル級の高山に自生する超高地性の難物ですが、
画像はアマニタ・ヴィロサ。
N. villosaとは種小名の綴りが違います。
virosaはラテン語で有毒の意、villosaは毛状の意。

和名はドクツルタケといい、種小名が示す通りの毒キノコ……の域を軽く超越する猛毒キノコです。
あまりの毒性の高さから世界的にも有名で、欧米では『殺しの天使(Destroying Angel)』の異名を持ちます。
厨二心をくすぐりますね……。
その毒性は国内で見られるキノコの中では最も危険な部類に入り、
本種との混同を防ぐために白いキノコの食用を避けるように呼び掛けられるほどです。

本種の性質の悪いところは、毒成分が強烈な旨味成分でもあるということ。
その威力は旨味調味料として用いられるグルタミン酸ナトリウムの数十倍の効力を持ち、
まさに死ぬほど美味しいキノコというわけなのです、文字通りに。



Amanita vaginata
ツルタケの老菌、上記の毒の無いタイプです。
一応食べられるキノコらしいですが、ドクツルタケやその他の毒キノコとの混同を避けるため、
敢えて非可食と紹介する文献がほとんどですので、食べない方がいいキノコです。
タマゴタケもそうですが、テングタケ科の食用キノコってすごい美味しいんですよね。
もういっそ人工栽培できたら安心して食べられるのですが、
テングタケ科の培養は非常に難しいらしく、研究が続けられているそうです。



黄色いフリルのキノコ、すごくかわいいです。
キイボカサタケ辺りでしょうか、毒キノコです。



カワラタケの仲間。
キクラゲを栽培していたら、これが大量に生えてきて大失敗したので、
あんまりいい思い出のないキノコです。



品種不明、見当も付きません。
ひらひらしてて綺麗でかわいかったやつ。



サルノコシカケ、とても硬い。
もうキノコというより木な質感です。
リーダーがお茶にしてるイメージ。
あの人何食べても絶対に不味いって言わないよね。



ヒイロタケ、色鮮やかで遠くからでもよく目立ちます。
毒性は知らないけど質感はそのまんまカワラタケだし、これを食べる猛者は居ないと思います。
警告色顔負けの鮮やかな色してますし……。



スナフキンの帽子みたいなキノコ。
種類は知らないけど芝生にこんな形のキノコ、よく生えてきますよね。
大きさは全然違いますけど。



茶色いキノコ、品種不明。
この色は種類が膨大すぎて調べるの大変なんです……!
どことなくしいたけめいた雰囲気を醸してます。
こういうキノコがよく事故とか起こさせるんだろうなぁ……。
シイタケは地面から直接生えたりしないですし。

………
……


……というわけで、3回に渡って続いたキノコ編もこれにて終了です!くぅ疲!
次回からはまた普通にネペンテスについて書いていこうかと思いますが、
最近はまたいろいろと思うこともあり……。
これから寒くもなってきますし。
とりあえずは、次回以降にまた書いていきます!


道を歩いていると、金木犀が香ってくるようになりました。
好きですよ、この匂い。
もうすっかり秋ですね。
結構きつい匂いですが一年のうちでも数日だけですし、たまにはいいかなーって思います。
銀杏のような刺激臭でもないですし。
というか銀杏って1ヶ月以上臭ってますよね。



ハナホウキタケの仲間。
二回に分けての公開予定でしたが、存外に画像が多いので三部構成にさせていただきます。
ここは元々ネペンテスブログ、キノコなんざ興味ないって方も少なくないでしょうけれど、
もう少しだけこの余興にお付き合いいただければ幸いです。



話が逸れましたが、ハナホウキタケの仲間。
とにかくいっぱい生えてました。
この種類はまだ分類が進んでおらず、よくわからないのが現状のようです。
可食とも言われていますが、摂食により激しい食中毒を起こすとも言われ、
種類の分別もできていないので食べるべきではないキノコです。
……というより、この見た目のキノコを食べるというのが理解できないのですが……。
見た目はグロいけど美味しい食材っていろいろありますが、
どんな世界にもチャレンジャーというのは居たものです。



品種不明。
プニプニとした感触で、食べたら美味しそうだなって思いました。
品種不明のキノコを食べられるほど、私は勇者ではないです。
生え方とか質感とか、キクラゲにも似ていましたが、傘の中は"ひだ"が発達していたので、
分類としては、あんまり近くない種類なのかもしれません。



品種不明。
色はちょっとナメコっぽいですよね。
打ち捨てられた杉の間伐材に生えてましたが、その辺にヒントがありそう。



品種不明。
どこにでも生えてそうなキノコ。
ちょっとした雑木の影なんかにも生えてますよね、こういうの。
似たようなキノコが多すぎて、調べる根気はちょっとないです……。



シロヌメリイグチ。
いかにも食べられそうなキノコのステレオタイプといった感じの見た目。
ちゃんと食べられるそうです、私は遠慮しておきます。
木漏れ日の当たる明るい場所に群生してました。



マンネンタケの幼菌。
別名霊芝といえば、なんか高級そうなインチキサプリメントによく入ってますよね。
以前はサルノコシカケの仲間とされていましたが、近年独立したそうです。
このキノコ、コルク質で丈夫で、かなり大きくなるのですが……。



マンネンタケの成菌。
傘の直径は軽く30センチは超えています。
あまりの大きさに発見時は何事かと思いました。
乾燥してもあんまり縮まなさそうだし、このサイズならインテリアになりそう。
かなり目立つので、通りかかった人にイタズラされそうですけど。
実際1本抜かれて転がってましたし。



N. truncata / Y's Exotics
あんまりキノコばっかりだと、アイデンティティーを喪ってしまうので。
新芽もかなり展開して、葉になりつつあります。
もう少し大きくなりそうな感じ。

トランカータは成長が遅いですが、やっぱり先日登場のローウィ幼苗に比べれば断然早いです。
一応日毎分かる程度には動きますし……。
あのローウィも大きくなれば、これくらいの展開速度になってくれるのでしょうか。
そうだったらいいなぁ……。

蔓も伸びて袋を膨らませる準備も出来た感じなので、
もうしばらくすれば膨らみ始めると思います。
来月には完成するとは思いますが、これから寒くなってきますしね……。


先日は気温が10度を切り、高地性も慌てて取り込みました。
……かと思えば、この週末はまた真夏日です。
この時期は不安定な気候は仕方ないですが、それにしてもここ数年おかしいです。
秋らしい過ごしやすい気候は無く、夏と冬が日毎交互にやってくる感じです。



Amanita javanica
最近は目の回るような忙しさが続いていますが、
その合間を縫って無理矢理時間作って、気分転換にお散歩です。
行き先は近所の森林公園、画像はキタマゴタケです。
テングタケ科に属するキノコで、食用菌です。
同科のキノコは食用もありますが、同時に猛毒種が非常に多く、
見た目が非常によく似ている上に、命に関わる毒性を持つものが大半なので、
安易に食べるべきキノコではないです。
このキタマゴタケによく似たキノコにタマゴテングタケがありますが、
例に漏れず日本のキノコ猛毒御三家に数えられるような猛毒種です。
ひとかけらでも食べたら死にます。
この画像は傘の条線や"つば"の色からキタマゴタケに間違いないと思いますが、怖いので食べません。
やっぱり食べるキノコは人の手で育てられたものが一番ですよ……。



Russula amoena
ムラサキカスリタケの老菌。
毒々しい色をしていますが、実は意外にも食べられるキノコ。
画像のは古い上に虫食いだらけで無理そうですが……。
紫のキノコは毒々しいですが、意外にも毒性を持つものはなく、ほとんどが食用になります。
ムラサキシメジとか美味しいらしいけど、ものすごい食欲のなくなる色してます……。



何かの幼菌、品種不明。
タマゴタケみたいにここからキノコが出てくるのか、
あるいはオニフスベのようにこのまま大きくなるのでしょうか。



何かの老菌、品種不明。
古すぎて子実体が原型を留めておらず、さすがにわかりません。



ツチカブリ……かな?
このタイプのキノコは似た種類が非常に多く、同定は難しいです。
そもそも私、そんなにキノコに詳しい訳でもないですし。
見るのは好きなんですけどねー……。

今年のキノコはなんだか不作な感じです。
8月の異常気象の影響だったりするのでしょうか。
あとは何故か落葉が綺麗に掃かれてたのも関係ありそう……。
……というわけで、もっとキノコを探してきます。
後半に続く、なのです!

……仕事はどうするんだ。


プロフィール
Author:左沢ねあ
Illustration:森野久真


コンクリートジャングル暮らしの現代エルフ、食虫植物をはじめ、ちょっと変わった植物を育ててます✨

毎週水曜日、日曜日の二回更新されます。
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