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前回の終わりに少し書きましたが、問題だらけのデザヘアの環境を見直しました。

■現状での問題点

 ・砂の粒子があまりにも細かすぎて空気中に舞ってしまう
 ・床材を掘った際、ケージの通気口を通じて砂が出てくる
 ・シェルターが意味を為しておらず、落ち着ける場所が無いため延々と隅を掘り続ける
 ・結果として水容器を埋めてしまうため、毎日掘り出して給水する手間が掛かる

上記の問題点を一つずつ潰していくことにしました。

 ・ヒュドラサンドの使用を中止、家に余ってた珪砂を使用
 ・床材の厚みを半分以下に
 ・掘れなくなった分、木化石やカクタススケルトン等の隙間だらけのシェルターを大量設置
 ・上記改善に付随して、水容器が埋まる問題も済し崩し的に解決



ヒュドラサンドは見た目には綺麗だったのですが、粒子があまりにも細かすぎて使いづらかったです。
特に前面扉式のケージとの相性は最低最悪です。
観音開き式だったので何とかなってましたけど、ガラス引き戸だと砂を噛んで悲惨なことになりそうです。
あと、海にも行ってないのに部屋がなんだかジャリジャリするようになります。
ヒュドラサンド使うなら、トールタイプの水槽みたいなケージがいいですね……。
それも蓋がぴっちり閉まるやつ。
ぴっちり閉まる蓋は蒸れやすいので、ヒュドラサンド使うような砂漠の生き物とは、
たぶん相性最悪という矛盾も孕むことになりますけど。
それか、砂が舞わないように少し湿った状態で使うとか。
準乾燥系の生物なら丁度いいかもしれません、試したことないですけど。

……ので、家で余ってた珪砂を使うことにしました。
やや粗めの砂なので、宙に舞ったりするようなことはないです。
問題点があるとすれば、見た目くらいでしょうか。
国産の珪砂は灰色がかっているので、見た目は砂漠というよりは砂場です。
見た目にもこだわるなら、ナミブサンドやサハラサンド等の本物の砂漠の砂を使ったらいいと思います。
材質的にはどちらも同じ珪砂なので、問題ないかと。
……本種が生息しているのは、サハラでもナミブでもなく、アリゾナなのですが。



床材を薄くした代わりに、木化石と骨サボテンを置きました。
やっぱり多少は掘りますが、地形が変わるほどの大工事はせずに、石の下を少し掘って落ち着きました。
隠れている時間も増えましたが、一応外からも姿を確認できることと、
夜の間は出てきているみたいなので、良しとします。



H. arizonensis
出てきました……デザヘアって昔は侮ってましたけど、
こうしてじっくり眺めてみると、めちゃくちゃかっこいいですね……。
キョクトウサソリは飼えなくなりましたが、それ以外の乾燥系サソリも案外いいものかもしれません。
奇蟲系はたくさん居ても管理の手間はほとんど変わらないので、
いつの間にか飼育数が増えていそうで怖いですね。
……数が増えたからといって、管理をおろそかにするのは本末転倒ですが。
タッパーで飼育して脱走させるとか言語道断ですよ。

………
……


クモの方ですが、どうやらデュビアを餌として認識していなかったようです。
潰したデュビアを置き餌で与えていたところ、これは餌だと学習したらしく、
最近だと入れた瞬間に飛び掛かってくるようになりました。
餌をよく食べるようになったところ、腹部がぱっつんぱっつんに太りました。
次に餌を食べなくなったとしたら、その時こそ脱皮でしょうねー。

……やっぱり奇蟲は飼ってるうちに数が増えてきそうで怖いです。


上野の方では桜が開花していますが、こちらはまだです。
先日確認してみたところ、咲いていたのは1輪のみ……開花宣言は数日後でしょうね。



H. sp.
チャグロサソリの一種。
スマトラ原産ということらしいのですが、種小名まではわかりません。
チャグロやアジフォレという名前は東南アジア産のHeterometrus属のサソリの総称なので、
同じ名前で販売されていても、入荷ロットごとに種類が異なる場合がほとんどです。
見た目には同じでも別種の場合、ペアリングしようとすると殺し合うので注意が必要です。

……本当はダイオウサソリがほしかったのですが、イベントには1匹も居ませんでした。
湿潤系サソリでは最もポピュラーな種類なのですが、
サイテス記載種なので、基本的には国内CBしか出回りません。
唯一の救いは、ダイオウサソリは多頭飼育ができるので、環境が良ければ簡単に増えてくれます。
……ただ、ベビーから育てた場合、どうしても一定数は死んでしまうので、
ベビー1匹だけで育てる場合は途中で落ちるリスクが高いです。
WC個体が入ってこないのでインブリードが進んでる説もありますが、その辺は詳しくないです。



うちに来てから一度も餌は食べていませんが、お腹はどんどん膨らんでいくので、
たぶん持ち腹、WC個体のメス成体なので……。
ちなみに餌は一切食べませんが、水だけは大量に飲みます。

ダイオウとは違い、チャグロサソリはワイルド個体が多いイメージです。
東南アジアにたくさん居る上に、近縁種の区別が非常に難しいため、
国内での完全CB化が難しいんじゃないかなって思います。

ボルネオ産の個体は毒性が非常に強いというデマが出回っていますが、
H. longimanusも他のHeterometrus属と大差なく、毒性としては弱いです。
では、なぜそんなデタラメが流布しているのかといえば、
死亡例の無いダイオウサソリとは違い、チャグロサソリには過去に1件だけ、海外で死亡例があります。
ただし、死因は毒そのものではなくアナフィラキシーショックによるものです。
アナフィラキシーショックが起きるのは毒性の強さとは一切関係がなく、
身近によく居るミツバチの毒でも起こりますし、
食べ物のソバやピーナッツなんかでも起こることがあります。

要するに、毒性の弱いサソリでも刺されないに越したことはないですよってお話に、
盛大に尾ひれがついて、有る事無い事適当に盛っていった結果ということです。

………
……


デザヘアの飼育環境を、一から根本的に見直そうと思います。
1週間飼育してみて、問題点ばかりが浮き彫りになってきました。
詳しくは後日書いてみようかと思います。

3月も後半に入り、すっかり春らしくなってきましたねー。
夜はまだまだ寒いですが、真冬のように刺すような寒さではないです。



Hadrurus arizonensis
デザートヘアリースコーピオン

この手の乾燥系サソリは初めて飼います。
もう10年以上前の話になりますが、当時の主流はキョクトウサソリ系だったので、
北米系の繁殖も難しいような種類は全然人気無かったんですよ……。
持ち腹での出産は、今でもよくあるみたいですが……。

本種の繁殖については国内には資料がありませんので、海外の文献を翻訳する形になるのですが、
海外でもキープ自体は簡単だが、繁殖させるのは非常に難しいと書かれているところが殆どで……。
生息地のアリゾナ砂漠には四季があるので、繁殖させるにはその環境を再現する必要がありそうです。
意外かもしれませんが、アリゾナの夜は10度を切るのでかなり寒いです。
もっとも、そんな時期には本種はかなり深い巣穴を掘って冬眠しているらしいので、
その気温に晒されて元気で居られるとは思わないのですが……。

でも、分布域の環境を考えると、本種にとっての理想的な環境とか見えてきそうですよね。
大雑把な管理でも繁殖してくれた砂漠棲キョクトウサソリが恋しいです……。
あっちは一年中安定した気候なので、クーリングとか考慮する必要がなかったので。


掘ってます。
以前に砂漠テラリウムのレイアウトを記事で紹介したのですが、一晩で台無しになりました。
あーもうめちゃくちゃだよ。

……まあ、それくらいなら全然構わないのですけれど、
石の基部を掘って転がしまくるので、危険と判断して撤去しました。
こういう部分は、実際に飼育してみないとわからないですねー。

持ち腹を期待しているのですが、本格的にやるならインブリードを避けるためにも、
持ち腹個体を複数導入して、その子供達を使って完全CBを目指したいところですね。
本種は現地ではありふれた種類らしいのですが、現状流通するのは全て野生採取のWC個体ですし、
乱獲されすぎて絶滅危惧種となったダイオウサソリの前例もありますし……。

ただ、温厚で複数飼育も容易で、環境がよければ勝手に増えてくれるダイオウサソリとは異なり、
本種はアグレッシブな性格なので、ペアリングするにも共食いのリスクが高かったり……。

一緒にデューンスコーピオンも見かけたのですが、小型種でしたが透明感があって非常に綺麗です。
ただ、あちらはほとんど流通しないのですよねー、現地だと最も普遍的な種類らしいのですが……。
こちらも機会があれば、繁殖まで見据えて飼育に挑戦してみたいところです。

ただ、繁殖方法が確立したとして、それでペットとして普及したとしても、
奇蟲に限っては手放しに喜べない状況であることも事実です。
最近の爬虫類ブームによってヒョウモントカゲモドキの飼育者はものすごく多くなりました。
飼育人口が増える以上、ある程度は仕方のないことだと思いますが、
いい加減な知識や環境で飼育されたり、繁殖条件が解明されて簡単に実行可能なことから、
安易な気持ちで繁殖してみて、産まれた個体を持て余したりという話を非常によく聞きます。

もしも奇蟲の類が同じような状況に陥って、安易なハンドリングによる刺傷や脱走等の状況が多発すれば、
今度こそ全ての種類が規制されてしまう事態にもなりかねません。
野生個体の保全のためにもCB化は進めていきたいところですが、
あまり飼育人口の裾野は広げすぎない方がいいのかもしれません。
奇蟲界隈の終着点は、一体どこへ向かったらいいのでしょうねー……。

今回マダガスカリエンシスについて書くって言ってたんですが、
ここ最近雨が多く、綺麗な画像を用意できなかったことと、
他に少し書いておきたいことがあったので、次回にします。
でも、雨が多いってことは、気候的にも春が近付いてるってことですし。
気付けば2月も後半だったり、来週にはもう3月だったり、時間の流れって早いです。
今月は日数少ないですけど、今月締切の仕事でワンチャン死ぬんじゃないですか、私。


出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Androctonus_australis
Androctonus australis
キイロオブトサソリ

キョクトウサソリ科は全種特定外来生物に指定されていますが、
これって冷静に考えると、かなりおかしなことなのですよね。

まず、以前も少し書きましたが、本来外国産の生物を規制するための法律なのに、
キョクトウサソリ科全種という適当な括りで規制したため、なぜか在来種が規制に含まれています。

次に、キョクトウサソリ科約1,150種の中、猛毒種といわれるのは僅か25種類であり、
さらにそれらは基本的に砂漠地帯に棲む種類であり、国内では飼育下以外の環境では生存できません。
冬の寒さはもちろんのこと、夏の高湿度にも耐えることはできませんので。
それなのに、生態系を脅かす特定外来生物ってどういうことなのです?

さらにサソリの仲間は全種において爪間板を持たず、垂直登坂等の立体活動は不可能なため、
適切な施設での飼育なら脱走の可能性は皆無であり、扱い方も適切であれば刺傷事故も絶対に起きません。
現行の特定動物の飼育におけるガイドラインに従えば、安全に飼育することは非常に容易です。

ただし、キョクトウサソリ科の内25種類が猛毒種であることは紛れもない事実であり、
2003年に猛毒種であるキイロオブトサソリが脱走した事件を鑑みても、何らかの規制は必要だと思います。
自然環境下での長期生存は不可能であっても、逃亡中の刺傷事故の可能性は否定できませんので。

以上のことから、キョクトウサソリ科全種は特定外来生物ではなく、特定動物に含むべきと思うんですよ。
特定動物であれば、ハブやマムシのような在来生物も含まれていますので、法的な矛盾もありません。
さらには飼育許可申請が必要なことから安易な衝動買いへの抑止効果も期待できる上に、
行政から認可された厳重な施設での飼育の義務付けによる、事故や脱走も完全に防止可能です。

そんなメリットしかないのに、どうしてそうならないのかといえば、
特定動物は動物愛護法によって定義されているため、法的に生き物と認められていない、
両生類、魚類、節足動物には当てはまらないということなのだそうです。

ただ、昨今の外国産の甲虫類の現状を見るに、節足動物の扱いも徹底して管理した方がいいと思います。
小学生が小遣いで買って、おもちゃ代わりに外で遊んでそのまま逸出したり、
スーパーやホームセンターで一切世話もされずに陳列されて、干乾びた死骸をそのまま売ってたり。

キョクトウサソリ科全種は今からでも特定外来生物ではなく特定動物にするべきと思うのですが、
個人でどれだけ声を上げたところで相手にされませんので、一度団結するべき時なのかもしれません。


思ったよりも速く落ちてゆくもんだね。
描いてたそれとは、多少違うけれど。



E. c. maurus
脱皮直後なので特徴の虹色も顕著で、自室の間接照明でもギラギラに光ってました。
写真には殆ど映らないのが残念ですねー……。
手触りも最高でずっと触っていたくなりますが、ストレスになるので程々に。
前回の登場から全然脱皮しなかったのですが、
『脱皮終わるまで餌あげないからね!』と声を掛けた直後に脱ぎ始めました。
言葉が通じるはずもないのですけれど、こういうのって少し嬉しくなりますね。

脱皮が終わったので約束通りに餌をあげたところ余程嬉しかったのか、
思いっきり巻きついてきて、見事にマウスが破裂しました。
控えめに言って最低な気分でしたが、ウッドシェイブはこういうときに掃除が楽でいいですねー。
ただ、カビやすいらしいのでウェットシェルター直置きはやめました。
床材は様々な選択肢があって、どれも一長一短ですね。



お見事な一本脱ぎ、素寒貧な私の財布にもご利益がありそう。
アイキャップやピット周りも綺麗に脱げています。
この辺りが脱皮不全を起こすと、剥がすのがものすごく難しいんですよね……。
重要な器官の集中する部位なので、万一にも傷つけると大変なことになってしまいます。

以前の特大プラケで飼育していた時には毎回脱皮不全を起こして、私が手で剥いていたのですが、
新しいケージに移してからは、一度も手を貸すことなく全部自分で脱いでくれています。
おそらく広さに加えて木製なので、どこに擦りつけても取っ掛かりになるので脱ぎやすいのかもしれません。
大変だったけど自作してよかったです。
一つ難点を挙げるとしたら、背面もガラス張りにしたらよかったです。
次を作る機会があるとは思えませんが、その時があれば活かしていきます。

………
……


以前から餌昆虫の確保が大変という点で諦めていたのですが、
デュビアやレッチの繁殖も順調なので、そろそろ奇蟲の飼育を再開しようと思います。
再開とはいっても、以前に飼っていたのは10年以上も前の話なので、新規と全く変わらないのですが……。
2006年にお気に入りだった種類が全部規制種になったので、失意のままに離れてしまったのですよね。
最近の奇蟲事情を調べてみたのですけれど、気になる記事が……。

先述の通り2006年にキョクトウサソリ科全種が特定外来生物に指定されたのですが、
在来種であるマダラサソリだけは例外的に除外されていました。
規制以降、合法的に飼育可能な唯一のキョクトウサソリとして人気だったのですが、
2018年になって突如として環境省はマダラサソリも規制の範疇に含めると一方的に宣言し、
実際に飼育者や業者を逮捕してみたり、奇蟲界隈では大問題になっているようです。
在来種なのに特定外来種ってどういうことなんです……?
特定外来生物法は外国産の生物に対しての規制であり、在来種には適応されません。
本種は人によって持ち込まれて繁殖・定着した訳ではなく、自然界に元々生息していた生物です。
実際に環境省自身が、沖縄地方のマダラサソリは自然分布であると認めています。
この手の法律は実情を何も知らない役人が、調査もせずにイメージだけで決めてる感がすごいです。

……正直意味のわからない法律ですが、悪法でもルールはルールですので、
国内で飼育を楽しむ以上、従わなくてはなりません。
それが嫌なら海外に移住したらいいんですよ、本当に馬鹿馬鹿しい。

今回飼育を予定しているのは、以前から気になっていたオオツチグモの一種と、
規制には全く関係の無い完全合法なサソリです。
具体的にはダイオウやアジフォレの大型多湿系、
小型で地味だけど単為生殖で飼育自体が面白いヤエヤマサソリ、
規制前は見向きもされなかったけど、今となっては乾燥系最後の希望デザヘア等々、
それらの中からチョイスしていこうかと思っています。

乾燥系では規制を逃れた新顔のデューンスコーピオンという種類も最近出回っているそうですが、
寿命は5年程度とも、25年以上生きるとも言われており、全然わかりません。
ペア取りからの繁殖なんてのも絶望的っぽいですしねー。
ダイオウ・アジフォレなんかはベビーからじっくり育て上げたいですし、
デザヘア・デューンなんかは持ち腹個体からの繁殖を狙いたいところです。


プロフィール
Author:左沢ねあ
Illustration:森野久真


コンクリートジャングル暮らしの現代エルフ、食虫植物をはじめ、ちょっと変わった植物を育ててます✨

毎週水曜日、日曜日の二回更新されます。
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