忍者ブログ
サイトの名前
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

3月も後半に入り、すっかり春らしくなってきましたねー。
夜はまだまだ寒いですが、真冬のように刺すような寒さではないです。



Hadrurus arizonensis
デザートヘアリースコーピオン

この手の乾燥系サソリは初めて飼います。
もう10年以上前の話になりますが、当時の主流はキョクトウサソリ系だったので、
北米系の繁殖も難しいような種類は全然人気無かったんですよ……。
持ち腹での出産は、今でもよくあるみたいですが……。

本種の繁殖については国内には資料がありませんので、海外の文献を翻訳する形になるのですが、
海外でもキープ自体は簡単だが、繁殖させるのは非常に難しいと書かれているところが殆どで……。
生息地のアリゾナ砂漠には四季があるので、繁殖させるにはその環境を再現する必要がありそうです。
意外かもしれませんが、アリゾナの夜は10度を切るのでかなり寒いです。
もっとも、そんな時期には本種はかなり深い巣穴を掘って冬眠しているらしいので、
その気温に晒されて元気で居られるとは思わないのですが……。

でも、分布域の環境を考えると、本種にとっての理想的な環境とか見えてきそうですよね。
大雑把な管理でも繁殖してくれた砂漠棲キョクトウサソリが恋しいです……。
あっちは一年中安定した気候なので、クーリングとか考慮する必要がなかったので。


掘ってます。
以前に砂漠テラリウムのレイアウトを記事で紹介したのですが、一晩で台無しになりました。
あーもうめちゃくちゃだよ。

……まあ、それくらいなら全然構わないのですけれど、
石の基部を掘って転がしまくるので、危険と判断して撤去しました。
こういう部分は、実際に飼育してみないとわからないですねー。

持ち腹を期待しているのですが、本格的にやるならインブリードを避けるためにも、
持ち腹個体を複数導入して、その子供達を使って完全CBを目指したいところですね。
本種は現地ではありふれた種類らしいのですが、現状流通するのは全て野生採取のWC個体ですし、
乱獲されすぎて絶滅危惧種となったダイオウサソリの前例もありますし……。

ただ、温厚で複数飼育も容易で、環境がよければ勝手に増えてくれるダイオウサソリとは異なり、
本種はアグレッシブな性格なので、ペアリングするにも共食いのリスクが高かったり……。

一緒にデューンスコーピオンも見かけたのですが、小型種でしたが透明感があって非常に綺麗です。
ただ、あちらはほとんど流通しないのですよねー、現地だと最も普遍的な種類らしいのですが……。
こちらも機会があれば、繁殖まで見据えて飼育に挑戦してみたいところです。

ただ、繁殖方法が確立したとして、それでペットとして普及したとしても、
奇蟲に限っては手放しに喜べない状況であることも事実です。
最近の爬虫類ブームによってヒョウモントカゲモドキの飼育者はものすごく多くなりました。
飼育人口が増える以上、ある程度は仕方のないことだと思いますが、
いい加減な知識や環境で飼育されたり、繁殖条件が解明されて簡単に実行可能なことから、
安易な気持ちで繁殖してみて、産まれた個体を持て余したりという話を非常によく聞きます。

もしも奇蟲の類が同じような状況に陥って、安易なハンドリングによる刺傷や脱走等の状況が多発すれば、
今度こそ全ての種類が規制されてしまう事態にもなりかねません。
野生個体の保全のためにもCB化は進めていきたいところですが、
あまり飼育人口の裾野は広げすぎない方がいいのかもしれません。
奇蟲界隈の終着点は、一体どこへ向かったらいいのでしょうねー……。

この記事にコメントする
Name
Title
Color
E-Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
無題
砂を掻く姿は可愛いですがケースに当たる音が...。
ヘアリーはキョクトウ全盛期に尾の細いファットテール
とかキールのないデスストーカー等と可愛がられてましたね。
気の強さは立派なのである程度人気もありましたが、当時は入荷量が少なく高かったですね。

奇蟲に限らず外来の生物は定着する可能性があり生態系を壊す可能性も持つという事を飼育者は頭に入れるべきでしょう。
飼育するにあたり絶対大丈夫や安心安全はありません。
初心者向けの種類だって個体によってはマニアでも落としてしまう程へそ曲がりだったりする事もあります。
飼育している人達は各々の環境に合わせて工夫し調整していますから人の記録を鵜呑みせず裏側を知り簡単だからでは無く好きだから飼う本物のマニアの参入を望みますね。
そうすれば棄てる増える規制の馬鹿げた法則も無くなる....わけはないですね。
業界も業者も腐り始めてますし。
後継のマニアには申し訳ない限りです。
なまくら 2019/03/20 (Wed) 16:31 編集
Re:無題
≫なまくらさん

夜になると、ずっとカチャカチャいってますね……。
久しぶりにサソリを飼ってる感じがして懐かしいです。

当時から一部では人気があったのですね。
こちらでは、デザヘア飼うくらいならYFTかジャイデス辺り飼っとけって風潮でした。
まだ1週間ですが、実際にこの子を観察してみて思ったのは、
コガネサソリ系に比べたら毒針は使うものの、ファットテール系ほど頼り切りという感じではなかったです。
とりあえずハサミで抑え込んでみて、それでも暴れるなら刺すという行動パターンのようです。
ローチ系の無抵抗な餌だと刺さないことが多そうです。

犬猫はパピーミルのような悪徳ブリーダーがひしめく界隈でしたが、
昨今の爬虫類ブームでそれらの業者が参入でもしているのでしょうか。
人口母数が増えれば、どうしてもおかしな人も増えますので仕方ないですね……。
界隈自体に自浄作用が期待出来ればいいのですが、この小規模の村社会ではどうしようも……。
環境省は実績作りのために次々特定外来種を指定したがってる感がありますし、
粗探しからの規制というパターンもこれから増えてきそうです。
2019/03/24 (Sun) 13:27
プロフィール
Author:左沢ねあ
Illustration:森野久真


コンクリートジャングル暮らしの現代エルフ、食虫植物をはじめ、ちょっと変わった植物を育ててます✨

毎週水曜日、日曜日の二回更新されます。
最新記事
(07/14)
(07/03)
(06/30)
(06/26)
(06/23)
最新コメント
[07/04 なまくら]
[07/01 なまくら]
[06/27 なまくら]
[06/23 なまくら]
[06/21 R.n]
[06/20 なまくら]
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
記事検索


PR



忍者ブログ [PR]