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ネペンテス・トランカータの袋がやっと完成しました!
新芽が伸び始めたのが6月の初め、7月頃に葉っぱが完成したので、トータルで2か月近くかかってます。
ウツボカズラは小さい間は成長が遅く、トランカータ自体の成長の遅さも相まって非常に時間がかかります。



新しい袋が膨らむまでに、前の袋は枯れちゃいましたね……。
ただ、前回のは蔓の状態で待機してる間に環境が大きく変わったこともあり、
開口部がちょっと歪に開いたりしてて、長持ちしなさそうな感じだったので仕方ないかなって。
枯れたのは上半分だけなので、見た目は悪いけど貯水器官としては生きてると思いますし。



新しい袋。
トランカータに限ったことではないのですが、小さな苗は順調だと新しい袋をつける度に、
どんどん大きくなっていくので、見ていて楽しいです!
この袋も、前回より一回り大きくなってます、時間はやたらとかかるけど……!

大きくなったとは言っても、まだまだベビーサイズ。
トランカータっぽさはあるけど、襟もほとんど発達していない幼苗の袋です。
怪物じみた本来の姿を見られるのはいつになることやら……。

次の葉や袋になる新芽が出てくるにも、すごく時間がかかるので、
当分の間は動きのない状態になりそうです。
おっそーーーい!!!
新芽が動き出したら、何かのついでに載せてみようかと思います。


ここで関係ありそうで関係ない、少し関係のあるお話をひとつ。
ハオルチア・オブツーサ・トゥルンカータの『トゥルンカータ』って、
ネペンテスの『トランカータ』と同じ綴りなんですね。
学名の種小名被りなんて珍しいことでもないのですが、なんだか嬉しくなってしまいますね!
今回登場するのは、数あるウツボカズラの交配種の中でも最高傑作と名高い、ネペンテス・ダイエリアナです。
その歴史は非常に古く、1900年イギリスにて作出された古典品種です。
袋の大きさ、美しさもさることながら、非常に成長の早い強健種であることも傑作と云われる所以です。
100年以上前に作出された古典品種にも関わらず、一般に広く普及しているウツボカズラの一つであり、
今の季節であれば、お花屋さんや、ホームセンターにまで並んでいることも珍しくありません。

出回るのは基本的に大株なため、お値段は5000円~程度のことがほとんど。
普通の観葉植物に比べると、ちょっとお高めですが、その抜群の存在感はものすごいです。
とんでもない大きさの袋をつけるため、
『オバケウツボカズラ』として、ちょっとした名物みたいになってます。
……ちなみに滅多に見かけることはないのですが、幼苗であれば600円程度で売られていました。
値段の話ばっかりで、ちょっとお下品な感じになってしまいましたが、うちのダイエリアナさんの紹介です。



幼苗の多いうちのウツボカズラの中では珍しく大株です。
あまりの大きさに棚に乗せられないため、専用のフラワースタンドに乗せてあります。
大きな袋故か、個数のキャパシティは多くなく、鈴生りになるようなタイプではないです。
うちの子は大体常時3個くらいの袋をぶら下げています。
古い袋が枯れ始めると、待機していた蔓の先端が膨らみ始めるという成長の仕方をします。



待機中の袋は横を向いているのですが……



準備ができると、ぐぐっと上を向いてきます。



上を向くと急速に膨らんできます。



蓋が開きました。
特徴的な襟はまだ伸びておらず、蓋が開いた後で完成します。



襟が伸びて、ストライプもバシッと決まれば完成です!
大きさは30センチ以上、人の顔より大きいです。
あまりにも大きいので、風が吹くとぶらぶらと重そうに揺れて、ちょっとかわいそうな気も……。
大きいと肩も凝るのよねー、なんて、そんな台詞を私も吐いてみたいものです。
……………泣いてなんか、ないもん。




……さてと。
この悲しみを乗り越えて、傑作と云われるダイエリアナさんの欠点を書いてみます。
まずは、アイデンティティーであり、長所でもある、その大きさ。
とにかく場所食いで、置き場所にちょっと困ります。
これは次に挙げる欠点にも響いてくるのですが……。

次に、耐寒性はあまりないです。
アンプラリアやグラシリスのように皆無というほどではないのですが、
室内に取り込んだだけの無加温では、枯れなかったとしても極端に調子が悪くなり、
暖かくなってからも、ぐずついてあまり成長せず、
怪物じみた袋が年々小さくなってゆく、という悲しみを背負うことになります。
低温乾燥を嫌うので、何かしらの方法で保護するのですが、
先にも挙げた大きさが仇となって、そのままではワーディアンケースにはまず入りません。
毎年切り戻してワーディアンケースに収納する人も多いみたいです。
簡易温室でもなんでもいいので、とにかくなんとかして加湿加温してあげましょう!



そこさえ気を付けてあげれば、基本的にはとても丈夫な子です。
縞々模様が好きなので、ゴージャスな襟もポイント。
冬にはちょっと手がかかりますが、お気に入りの品種なので、
いつまでも大きな袋をつけさせてあげられるよう、がんばっていきたいところです!
屋外栽培って日当たりも風当たりもいいし、水遣りも周囲を気にしなくていいので楽です。
気にしなさすぎて自分が濡れることも多々ありますが……。
そんな素敵な屋外栽培ですが、そんなに都合よく、いいことだけじゃありません。



やられました。
次回紹介の予定の子だったのですが、最新の葉っぱをバリムシャァされてしまいました。
犯人はハマキムシ。
とてもわかりやすい変異だったので、遠慮なく除去させていただきました。
イモムシの類はやばいですね……、夜盗虫なんか夜毎被害が広がって始末が悪いし、
スズメガの幼虫の食欲なんて、もう悪夢以外の何者でもありません。
ウツボカズラではないのですが、ぶどう棚に潜んだスズメガの芋虫の発見が遅れて、
あっという間に葉っぱを1/3ほど食べられてしまいました……。
こんなのがウツボカズラについた日には、それこそカタストロフィーです。

怖いのはこれだけじゃありません。
汁を吸うタイプの奴ら、アザミウマやウンカの類、アブラムシがこれに相当します。
葉っぱを直接食べられるわけじゃないので被害に気付きにくく、
気付いたときには被害甚大なんてことも……。
うちではよくウンカの幼虫がついているのですが、
手で取ろうとしても、小さい上にすばしっこく跳ね回るため、大抵取り逃がします。
これじゃよくないので、何かしらの薬を使おうかと思うのですが、
どんな薬を使ったらいいか、決めあぐねている状態です……。

さらに怖い奴らが、根に悪さをするタイプ。
コガネムシの幼虫や、線虫の類です。
ある日突然枯れ上がり、鉢から抜いて初めてその存在に気付く様はまさにサイレントキラー。
線虫の一番怖いところは、一度寄生されたら二度と駆除することはできないということ。
根にしかつかないので挿木更新で助かることもあるそうですが、
症状が出た時点で、挿木に耐えられるだけの体力が残されていない場合がほとんどです。

ので、対策は予防に努めるしかありません。
コガネムシは未熟な有機用土や腐葉土の類につきやすく、
線虫は地面に直接鉢を置かず、棚や吊り鉢を利用し、
雨や潅水での泥跳ねの防止で予防できます。
植え替えを嫌うウツボカズラでも、数年に一度は鉢も用土も新しいものに取り換えたり、
挿木などで株を更新することも、大切かもしれませんね。

植物につく害虫とは違うのですが、この季節は蚊が多いのも困ったところ。
手入れをしてると数分であっちこっち痒くなってしまいます。
基本的に食虫植物は害虫に対しては無力ですし、仕方ないですけど……。
害虫とは違うのですが、蜘蛛にもちょっと困ってます。
ハエトリグモみたいな徘徊性の蜘蛛なら、ぴょんぴょんしてるだけでかわいいのですが、
造網性の蜘蛛が多く、袋や葉っぱの周りを蜘蛛の巣だらけにされてしまいます。
ウツボカズラが虫を集める性質を知っててわざとやってるのかもですが、
お願いだから、他所でやってよ………><。


ここまで害虫の話をしてきましたが、
では、屋外栽培に於いて最も恐ろしい存在とは一体なんでしょうか?

答えは人間です。
花盗人……というやつですね。
害虫以下の卑しい人間が、悲しいことに実在します。
食虫植物や多肉植物、蘭の類は一鉢にとんでもない値段がつくことも珍しくありません。
最近の花泥棒は、大鉢だろうとプランターだろうと、丸ごと盗んでいきます。
綺麗だから、珍しいからというさもしい理由で。
そこには希少植物としての価値も、どんな想いで育てていたかも一切関係ありません。
一部の心無い害獣のせいで、通りに面した場所で育てるなんて恐ろしくて到底できません。
本当は、いろんな人に見てほしいのに。

希少植物は自分一人で秘密に通じて、秘密の花園に仕舞いこんで満足するような、
そんな楽しみ方しか、できないのでしょうか……?
自生地での盗掘や密猟の問題が取り沙汰されていますが、
各々の栽培下でもこんな問題に頭を悩ませなければならないなんて、なんだか物悲しいですね……。



……すっかり暗い話になってしまったので、袋の近況を載せてみます。



先日登場したアンプラリア。
前回は襟が開ききっていなかったので、後日撮影してみました。
相変わらずのグリーンリップですが、ストライプが入りました。
大きくなるに従って、全体的に密に入れば素敵な個体になってくれそうです!



以前ちらっと登場した交配種、だいぶ袋も出来てきました。
袋に斑模様も入っていい感じです!
たぶん襟も発達する予定ですが、今の段階ではわからないですねー。
縞々好きなので、ストライプ模様が密に綺麗に入ってくれると嬉しいのですが。
完成までもう一息、ですね!

※今回登場するのは以前アラタとして紹介された子です。

今年の梅雨は空っ梅雨と思っていたのですが、雨は降らないくせに曇りばかりで困ってしまいます。
個人的には曇りがちの、部分的にほんの少し青空の見える、そんなお天気が好きなのですが、
園芸的には、そんな天気では日照不足になってしまうので困りものです。
天気雨とか、風で雲が押し流されてゆく様子とかも好きです。

ここ最近は曇りばかりで、写真を撮ってもどうしても色がくすんでしまいますね。
それだけならいいのですが、日照不足のせいか、ここ数日ウツボカズラたちの成長が滞り気味です。
曇ってると湿度は上がるのですが、湿度よりも光のほうが成長に欠かせない要素なのです。
今でもよく、虫さえあげれば水も光もなくても育つのか、と聞かれることが多々ありますが、
世間一般での食虫植物のイメージなんて、そんなものなんだろうなぁ……。



今回は、以前ちらっと登場し、袋が開いたことでその正体が発覚したネペンテス・ベントラータです。
たくさんの袋ができて、とってもにぎやかな鉢になりました。
新しい袋も次々作っている途中なので、数はもっと増えそうです。
小さな株ですが、根は結構発達しているため、袋の個数のキャパシティは多いのかもしれません。

唯一の難点は、袋が全部、図ったように後ろを向いており、正面から見ても全然鑑賞できません。
一冬屋外に放置されたブラック栽培に対する、ささやかな抗議なのかもしれません。
ストライキ的なやつ……?



仕方がないので裏返して袋を撮ってみました。
陽のよく当たった袋は鮮やかなピンク色に染まって綺麗です。

この子はうちに長くいるため環境に慣れているのか、新入りに比べて袋がとても長持ちします。
新入りちゃんの元々付いている袋や、蔓の状態で待機しているものは、
環境の変化のせいか、どうしてもすぐに枯れてしまいます。
うちの環境に来てから出した新芽の、ゼロから作った袋が完成してからが本番って感じです。
ただ、環境の変化や植え付けのショックで成長が滞るので、それが結構かかるんですよねー……。
じっくり待ってあげることも大切ですが、前回のラフレシアナさんみたいなこともあるので難しいです。



こっちの袋はベントリコーサの特徴がよく出てます。
宙ぶらりんの状態よりも、きちんと接地した袋のほうが、ずんぐりむっくり育ちますね。
この鉢も苔を敷いているので、やわらかく適度な湿度で袋にもいい環境かと思います。
ただ、本体がわしゃわしゃと茂っているためトリミングが難しく、あまり綺麗な状態ではないです……。
時間のあるときに、座ってじっくり手入れしてあげたいところです。

個人的には、ずんぐりむっくりの、どっしり座った袋が好きなので、
蔓の先端がきちんと接地するようにしたいところですが、葉っぱは気ままにあっちこっち伸びるので、
どうしても鉢の縁から飛び出してしまいます。
隣の鉢にお邪魔してもいいのですが、それをやると移動がとても大変になってしまいます……。
やっぱり、平鉢みたいな広い鉢に植えたほうがいいのかなぁ……。

もっと大きく育ったら、鉢のタイプについても考えてみたいと思います。
アンプラリアとか、グランドピッチャー出すスペースの問題もありますし!


今回登場するのは、日本に初めて持ち込まれたウツボカズラである、ネペンテス・ラフレシアナです。
和名でウツボカズラと呼ばれるのは、意外にもこの種類のことなのです。
夏にホームセンターでよく売ってるおなじみの種類の和名は、ヒョウタンウツボカズラといいます。
(ネペンテス・アラタ=ヒョウタンウツボカズラ、です。)
……とは言っても、最近はホームセンターにも様々な種類のネペンテスが売ってるので侮れません。
今年はなんと、ネペンテス・アルボマルギナタまで一般に出回っているそうです。
赤葉系の子は、ウツボカズラ畑の中でもちょっと目を引く感じなので結構好きだったりします。
話が逸れつつありますが、今回のラフレシアナさんもタイプによっては綺麗な赤い葉を持つんですよ!

ラフレシアナは、何度か登場しているアンプラリアと同じように、広域に分布するネペンテスです。
ちなみにアンプラリアと生息域がかぶっているため、自生地での自然交配種が存在します。
ネペンテス・フーケリアナ、っていうらしいです。
広域に分布しているため、やっぱり地域差や個体差が激しいです。
うちにいる子はクチン産、赤みの強いタイプの個体群です。

さて、この子がうちに導入されたのは、前回登場のアンプラリアと同時期なのですが、
今まで一度も登場しなかったのには理由がありまして……。
導入直後からすっかり調子を崩しており、うちに来てから一切動きがありませんでした。
ウツボカズラの成長は早くはありませんが、日毎動きがわかる程度には成長します。
特に低地性の種類は、高地性に比べると成長は格段に早いです。
数ヵ月もの間、少しも動きがないというのはいくらなんでも異常です。
できるだけ動かさないように養生させながら静観するつもりでいましたが、
あまりの異常事態に植え替えを断行しました。
植え替え中の画像は、ないのですけれど……。



植え替えてみてわかったことがいくつかあります。
まずは用土、鹿沼土単用のように見えましたが、実は根回りは水苔だったこと。
そして、その水苔がガッツリ傷んでました。
これじゃあ調子も崩すよね……。
基本的にウツボカズラの植え替えは根鉢を崩さないというのが原則ですが、
ピンセットと水流を使い、根を傷めないように丁寧に外していきます。
水苔をすっかり外して気付いたことがもうひとつ。
大きさから実生苗だと思っていたのですが、どうやら小さな脇芽を挿した苗のようです。

発根、ほとんどしてないじゃん………。


なんというかとにかく最低な状態だったので、手遅れになる前に植え替えられてよかったです。
用土は有機用土を使ってみました。
用土の比較はアリストリコーサで実験中ですが、途中経過を見る感じ、結果は明らかっぽいので……。
このあたりは後日改めて書いてみたいと思います。

植え替えの終わったラフレシアナはほぼ根無しの状態なので生水苔のトロ箱に鉢ごと埋めて、
メネデールとリキダスを交互に週一で与えて様子を見ていました。
そして先日、ようやく動きがあったため、この記事を書いています。



脇芽。
未熟な株の脇芽は調子を崩している証拠なのですが、
数ヵ月の沈黙を破り、主茎の新芽もにょろにょろと伸び始めました。
このまま主茎が伸びるにしても、脇芽に乗り換えるにしても、無事に成長して袋をつけてほしいところ。
まともに育成を再開するのは、いつになることやら……。



葉っぱだけの写真じゃつまらないですし、別個体の袋も載せてみます。
同じくクチン産のラフレシアナ。
どうせならマルディー産とかコシカワみたいな、産地違いや選抜個体にしたらよかったのに。
そんな貴重な個体なんて、そう簡単に手に入るはずもないですけど。

まだまだ未熟な個体なので、ラフレシアナ本来の魅力が出てないですね……。
もっと開口部が大きく開いて、襟とか蓋の柄が発達してくれれば好みなのですが。
とりあえずは株自体を大きく育てることが大事ですね!
プロフィール
Author:左沢ねあ
Illustration:森野久真


コンクリートジャングル暮らしの現代エルフ、食虫植物をはじめ、ちょっと変わった植物を育ててます✨

毎週水曜日、日曜日の二回更新されます。
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