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寒い……。
先日40度近くなったと思ったら、今度は気温が20度を切っています。
とても夏服ではいられないので、上着を一枚プラスです。
8月も終わって9月に入り、今年もそろそろ冬支度の準備を始めないといけない季節になりました。
おそらくは、この先残暑がぶり返したりで、不安定な気候になるのでしょうけれど。
N. campanulata / Wistuba
ウィスツバは珍しい種類を揃えているのですが、届く苗の状態から初心者向けではないとされています。
実際に導入してみたところ届いたのは、クロロフィルの抜けきった、もやしのような苗でした。
到着時の様子はこちら。
根も無くひょろひょろな苗の状態から、ちゃんと育つか不安だったのですが、
植え付けてみれば意外にも、きちんと順化してくれたのでした。
順化に際して重要な部分さえ押さえておけば、そこまで理不尽な難易度ではなかったです。
ポイントはいろいろありますが、それは別の機会に。
袋。
とても小さいですが、既に特徴はよく出ています。
元々カンパニュラータは超小型種で、袋も5センチ程度にしかなりません。
襟もなく模様も入らないため、とてもシンプルな袋です。
個人的にはシンプルながらも綺麗で気に入っているのですが……。
次の袋もきちんと出来そうです。
リーフスパンも15センチくらいにしかならないらしいので、
最終的には4号鉢あたりで落ち着くんじゃないかなって思います。
新芽。
コンスタントに袋もつけるようになって、無事に順化完了した感じです。
ウィスツバ苗を順化できるようになれば、導入先の幅が広がります。
あの根無しの未順化苗を順化できるなら、大抵の苗は順化可能だと思います。
このカンパニュラータ、小さくて地味な見た目に見合わない希少種です。
自生地は山火事によって焼失しており、絶滅したと信じられてきました。
栽培下で維持もされておらず、長年モノクロ写真にしか残っていない幻の存在だったのですが、
近年新しい自生地が再発見され、増殖された苗が栽培品としても出回るようになりました。
山火事や噴火により自生地の消失したネペンテスはいくつかありますが、
最近では乱獲、密猟、盗掘によって自生地の消滅が危惧される種類もあるみたいです。
この手のブラックマーケットは買い手が居なければ自ずと消滅するものですが、
それが出来ないのも人です、そんな理想論が通用するのであれば、世界は平和になってるはずです。
せめて栽培家の一人一人が、そういった山採り品に手を出さないようにしていきたいところです。
盗掘の対象になる種のほとんどは、AWにて増殖品の取り扱いがあるのですから。
このような順化困難な苗の栽培法を確立し、発信してゆくのも、
私たちのような栽培家に課せられた責務なのかもしれません。
このカンパニュラータも、いくら培養増殖品とはいえ希少種に違いはありません。
いつかは増殖も見据えて育てていきたいところですね。
先日40度近くなったと思ったら、今度は気温が20度を切っています。
とても夏服ではいられないので、上着を一枚プラスです。
8月も終わって9月に入り、今年もそろそろ冬支度の準備を始めないといけない季節になりました。
おそらくは、この先残暑がぶり返したりで、不安定な気候になるのでしょうけれど。
N. campanulata / Wistuba
ウィスツバは珍しい種類を揃えているのですが、届く苗の状態から初心者向けではないとされています。
実際に導入してみたところ届いたのは、クロロフィルの抜けきった、もやしのような苗でした。
到着時の様子はこちら。
根も無くひょろひょろな苗の状態から、ちゃんと育つか不安だったのですが、
植え付けてみれば意外にも、きちんと順化してくれたのでした。
順化に際して重要な部分さえ押さえておけば、そこまで理不尽な難易度ではなかったです。
ポイントはいろいろありますが、それは別の機会に。
袋。
とても小さいですが、既に特徴はよく出ています。
元々カンパニュラータは超小型種で、袋も5センチ程度にしかなりません。
襟もなく模様も入らないため、とてもシンプルな袋です。
個人的にはシンプルながらも綺麗で気に入っているのですが……。
次の袋もきちんと出来そうです。
リーフスパンも15センチくらいにしかならないらしいので、
最終的には4号鉢あたりで落ち着くんじゃないかなって思います。
新芽。
コンスタントに袋もつけるようになって、無事に順化完了した感じです。
ウィスツバ苗を順化できるようになれば、導入先の幅が広がります。
あの根無しの未順化苗を順化できるなら、大抵の苗は順化可能だと思います。
このカンパニュラータ、小さくて地味な見た目に見合わない希少種です。
自生地は山火事によって焼失しており、絶滅したと信じられてきました。
栽培下で維持もされておらず、長年モノクロ写真にしか残っていない幻の存在だったのですが、
近年新しい自生地が再発見され、増殖された苗が栽培品としても出回るようになりました。
山火事や噴火により自生地の消失したネペンテスはいくつかありますが、
最近では乱獲、密猟、盗掘によって自生地の消滅が危惧される種類もあるみたいです。
この手のブラックマーケットは買い手が居なければ自ずと消滅するものですが、
それが出来ないのも人です、そんな理想論が通用するのであれば、世界は平和になってるはずです。
せめて栽培家の一人一人が、そういった山採り品に手を出さないようにしていきたいところです。
盗掘の対象になる種のほとんどは、AWにて増殖品の取り扱いがあるのですから。
このような順化困難な苗の栽培法を確立し、発信してゆくのも、
私たちのような栽培家に課せられた責務なのかもしれません。
このカンパニュラータも、いくら培養増殖品とはいえ希少種に違いはありません。
いつかは増殖も見据えて育てていきたいところですね。
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無題
カンパニュラータ絶好調ですね!
AWの苗を上手く馴らして凄いです!
最近の若い人達は上手な人が沢山増えて来て凄いな!と嬉しくなっています。
乱獲は辛いですよ・・・
特にハイランドですが、実際現地の登山コースはスタッフが巡回していますし、整備されたコース入り口外からの登山となると不可能に近いです。
コース外部からネペンテス群生地を目指すとなるとかなりの土地勘が無いと辿り着けません。
乱獲には裏で現地ガイドの手引きがあるとしか考えられません。そしてそれらは普通にサイテス取得して海外に放出され続けています。
世界中の栽培家が知らずに(見ないフリして)乱獲由来の正規品を買っているのです。
新しい趣味家からしたら良い時代とも云えますが私からすれば面白く無いです・・・
『栽培家の一人一人が、そういった山採り品に手を出さないようにしていきたい』
そう発信してくださる人が居れば、趣味の世界に少しづつ意識付くと感じています。
AWの苗を上手く馴らして凄いです!
最近の若い人達は上手な人が沢山増えて来て凄いな!と嬉しくなっています。
乱獲は辛いですよ・・・
特にハイランドですが、実際現地の登山コースはスタッフが巡回していますし、整備されたコース入り口外からの登山となると不可能に近いです。
コース外部からネペンテス群生地を目指すとなるとかなりの土地勘が無いと辿り着けません。
乱獲には裏で現地ガイドの手引きがあるとしか考えられません。そしてそれらは普通にサイテス取得して海外に放出され続けています。
世界中の栽培家が知らずに(見ないフリして)乱獲由来の正規品を買っているのです。
新しい趣味家からしたら良い時代とも云えますが私からすれば面白く無いです・・・
『栽培家の一人一人が、そういった山採り品に手を出さないようにしていきたい』
そう発信してくださる人が居れば、趣味の世界に少しづつ意識付くと感じています。
Re:無題
≫中村さん
初めて現物を見たときはどうなることかと思いましたが、存外に好調です。
イネルミス等のスマトラ高山系も順調だったのですが、成長点を害虫に齧られて停滞気味です。
薬剤散布で成長は再開しましたが、屋外栽培はこれが怖いですね……。
やっぱり乱獲と密輸はいたちごっこなのですね……。
どれだけ巡回しようとも、山全体をカバーするのは難しいでしょうし、
現地ガイドが汚職に手を染めているのであれば、包囲の間隙を縫うのも容易なのでしょう。
乱獲後の密輸に関しても、密猟品に簡単にサイテスが発行されるのであれば、
条約としての抑止力は完全に形骸化し、意味を為さないものになってしまいます。
蘭のように一般社会にその価値が認められ、コミュニティも巨大化していけば、
取り締まりも厳しいものになるでしょうし、組織内での自浄作用も働くかもしれません。
実際、蘭の密輸を試みた者が、没収や罰金では済まされずに逮捕される報道も目にします。
山採り個体は見ればすぐに判りそうな気もしますし、そういった個体に手を出す人は、
おそらく見て見ぬフリをしているのが大多数なのではないかと思います。
実際に出品された密輸品であろう個体のキャプチャー画像を見たことがありますが、
無造作に引っこ抜いて鉢に突っ込まれ、枯れかけた個体を見ると悲しくなります。
高山性希少種をそこまでの大きさに育て上げる技術があるならば、
画像のような悲惨な状態には、絶対にならないはずです。
山採り品と判らないようにトリートメントするだけの技術があるのであれば、
正規の増殖品を苗から育てればいいだけの話ですし、それだけネペンテスを大事にできるなら、
そもそも最初から盗掘に手を染めたりなど、絶対に出来ないはずです。
栽培の情報や記録を発信しつつ、これらの問題にも触れる機会があれば、
これらの記事を参考にするであろう後進の方たちにも問題を周知できそうです。
新しい時代の栽培家にも共通の意識が芽生え、国内で密輸品が捌かれることが無くなればいいのですが。
初めて現物を見たときはどうなることかと思いましたが、存外に好調です。
イネルミス等のスマトラ高山系も順調だったのですが、成長点を害虫に齧られて停滞気味です。
薬剤散布で成長は再開しましたが、屋外栽培はこれが怖いですね……。
やっぱり乱獲と密輸はいたちごっこなのですね……。
どれだけ巡回しようとも、山全体をカバーするのは難しいでしょうし、
現地ガイドが汚職に手を染めているのであれば、包囲の間隙を縫うのも容易なのでしょう。
乱獲後の密輸に関しても、密猟品に簡単にサイテスが発行されるのであれば、
条約としての抑止力は完全に形骸化し、意味を為さないものになってしまいます。
蘭のように一般社会にその価値が認められ、コミュニティも巨大化していけば、
取り締まりも厳しいものになるでしょうし、組織内での自浄作用も働くかもしれません。
実際、蘭の密輸を試みた者が、没収や罰金では済まされずに逮捕される報道も目にします。
山採り個体は見ればすぐに判りそうな気もしますし、そういった個体に手を出す人は、
おそらく見て見ぬフリをしているのが大多数なのではないかと思います。
実際に出品された密輸品であろう個体のキャプチャー画像を見たことがありますが、
無造作に引っこ抜いて鉢に突っ込まれ、枯れかけた個体を見ると悲しくなります。
高山性希少種をそこまでの大きさに育て上げる技術があるならば、
画像のような悲惨な状態には、絶対にならないはずです。
山採り品と判らないようにトリートメントするだけの技術があるのであれば、
正規の増殖品を苗から育てればいいだけの話ですし、それだけネペンテスを大事にできるなら、
そもそも最初から盗掘に手を染めたりなど、絶対に出来ないはずです。
栽培の情報や記録を発信しつつ、これらの問題にも触れる機会があれば、
これらの記事を参考にするであろう後進の方たちにも問題を周知できそうです。
新しい時代の栽培家にも共通の意識が芽生え、国内で密輸品が捌かれることが無くなればいいのですが。
プロフィール
Author:左沢ねあ
Illustration:森野久真
コンクリートジャングル暮らしの現代エルフ、食虫植物をはじめ、ちょっと変わった植物を育ててます✨
毎週水曜日、日曜日の二回更新されます。
Illustration:森野久真
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