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まだ4月というのに、陽射しがきついですねー……。
今年の夏は、これから本当にどうなるのでしょうね。
気候としては昼夜の寒暖差が非常に大きいため、高地性ネペンテスの育成にはとても都合がいいです。
去年の夏から秋にかけての日照不足から、記録的な寒さの冬へと至るフルコンボで、
丈夫さが取得だったビーバビも前期の災害クラスの天候不順に袋を全て落としてしまいましたが、
今では日毎変化が見えるくらいのペースで袋を作り直しています。
そんな感じで高地性種は全体的に絶好調です。
その中でも特に顕著なのが、高地性交配種の中でも抜群に強いアリストリコーサ。
元々あの異常に寒かった冬の間にも袋を落とさなかったのですが、
植え替えで鉢も広く、用土も新しくなったところへ最近の理想的な気候が見事に合わさって、
握り拳大のサイズの袋を急にボコボコと着け始めました。
本気になったアリストリコーサは、本当に半端じゃないです……。



先日ネモフィラ畑に行ったついでに、海岸にも寄ってきたのでした。
とは言っても、時間も無くて本当に通りかかった程度でしたけど。
元々ビーチコーミング的な、珍しいものを集めるのは好きなのですが、
中でもウニの殻は特に好きなマテリアルの一つです。
いろいろ並んでいますけれど、海で拾ったものだったり、
飼育個体の遺骸だったり、雑貨屋で購入したものだったり……。
それぞれに思い入れがあって、感慨深いものなのです。



Echinometra sp.
ナガウニの仲間、これは雑貨屋さんで購入したものです。
ナガウニの仲間はかつては1種類とされていたのですが、
現在は基亜種であるホンナガウニを始め、ヒメクロナガウニ、
ツマジロナガウニ、リュウキュウナガウニの4種類に細分化されました。
ちなみにナガウニの名前の由来は、殻が楕円形の細長い形をしているからです。
トゲが長いわけではないのです、その役回りはガンガゼの仲間です。



Heterocentrotus mammillatus
パイプウニ、この子は飼育個体だったのですが、すぐに落ちてしまって悲しみが生まれました。
本種は飼育がとても難しく、水族館等の施設でも長期飼育は困難とされています。
よく長期飼育の話が出たりもするのですが、大抵の場合はノコギリウニと混同されています。
本種もナガウニ科の仲間で楕円形の殻をしていますが、
トゲが非常に太いため、そこへ繋がる突起も大きく特徴的な形状をしています。
生きている姿も美しいですが、殻になっても非常に美しいウニです。



Prionocidaris baculosa
ノコギリウニ、この子も飼育個体でした。
よくパイプウニと混同されますが、この子はオウサマウニ科で全く違う種類です。
深海性のウニですが飼育はとても簡単なものの、ウニの中では肉食性が非常に強く、
サンゴやイソギンチャクはもちろん、自分より動きが遅ければ他種のウニをも襲って捕食します。
……ので、飼育するなら単頭飼育がいいですね。
この個体は7年ほど飼い込んでいたので思い入れがあり、死んでしまったときはとても悲しかったです。
満月の夜に突然放精したりして、慌てて換水したりしたのも思い出です。



Maretia planulata
オニヒメブンブク、砂の中に棲む変態系ウニの仲間。
ナガウニのような楕円形は居ても、身体の造りはほぼ円形なウニの中で、
明確に頭部や尾部の前後の概念がある、棘皮動物の中では特異的な存在。
食性はベントス性のため、飼育はかなり難しい部類。
底砂が粗かったり薄かったりすると、潜れないストレスで死んでしまうし、
底面でゴカイ等のベントスが大量に自然発生していないと、いつの間にか餓死してしまいます。
ショップ等でよく見かけるのですが、長生きさせるのは本当に難しいです……。
ちなみに海水浴場で踏みつけて怪我をする事故が多発しており、場所によっては駆除対象です。
マリンブーツ、せめてサンダルでも履いておけば防げます。
裸足で海は、本当に危ないですよ……。



Mespilia globulus
コシダカウニ、バフンウニによく似ていますが、本種はサンショウウニ科で全くの別種。
小型のウニではありますが、殻は球形に近くてとても綺麗です。
この殻はビーチコーミングで採集しました。
球形の大型種としては、俗称としてレインボーウニと呼ばれるものがいるのですが、
殻はアンティーク品として非常に人気が高く、またウニの殻自体が非常に脆く割れやすいため、
美品は希少で入手はとても難しいです……、私も欲しいです。
ネットショップでたまに見かけますが、大抵売り切れてます。



Hemicentrotus pulcherrimus
バフンウニ、食用としてよく聞く名前ですが、主に食用に用いられるのはエゾバフンウニという別種です。
見た目は非常によく似ていますが、本種は一属一種で近縁種は存在しません。
食虫植物で例えるならば、ハエトリグサ的な孤高の存在なのです。
一科一属一種ではないので、セファロタスほどではないです……。

この殻もビーチコーミングで採集したもの。
本種は大洗の海では最も普通に見られる種類で、殻も大量に落ちています。
あんまり大量に落ちているのでありがたみもないのですけれど、
白地の多い個体や条線のはっきりした個体など、バリエーションも豊かだったりします。



Heliocidaris crassispina
ムラサキウニ、バフンウニと同じように食用としてよく聞くのですが、
主に食用に用いられるのはキタムラサキウニという全くの別種であることまで一緒です。
ちなみにムラサキウニはナガウニ科、キタムラサキウニはオオバフンウニ科なので、
姿が似ているだけで、特に近縁でもなかったりする辺りが面白いです。
この子もビーチコーミングで採集したもの。
ムラサキウニの殻は灰色がかっていて、あまり綺麗な色をしていないですね……。
漂白すれば綺麗になるのかもですけれど、やりすぎると砕けてしまったり、加減が難しいです。

……次回からは、ちゃんとネペンテスについて書いていきます。
冒頭でも言いましたけど、アリストリコーサが今調子いいので。

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無題
ウニ詳しいですねー( °_° )
私も浜にウニ殻落ちてるとついつい拾って帰っちゃいますが、同定までする気力はありません(笑)
ちなみに今、東北海道ではウニの養殖がブームらしく、天然物が採れない時期にとんでもない値段で築地に卸しているのだそうです(´ー`)
マッチ棒 2018/04/29 (Sun) 18:57 編集
Re:無題
≫マッチ棒さん

ウニは好きな生き物の一つなので……!
ウニは見た目そっくりな種類が非常に多く、生きていても同定が難しいので、
余程特徴のある種類以外だと、骨だけからの判別はほぼ無理です。
元飼育個体は入荷情報、ビーチコーミングにて採集したものは、
周囲に生息しているウニの種類を観察したり、採集地域から特定していますが、
雑貨屋さんで購入したものだけは詳しい状況が判らないため、ぼかした表記になっています。
おそらくはホンナガウニで間違いないと思うのですけれど、確証がないので……。

ウニは捕ろうと思えばいつでも居るのですけれど、旬の時期以外には可食部が存在しないですね……。
禁漁期が制定されているのは、資源保護の観点もありますが、捕っても意味がないからです。
ウニの旬は種類によって違ってくるのですが、複数の種類のウニを育てて、
その時期の違いを利用することで、一年中安定して出荷できるようにしているのだと思います。
私もウニの養殖のような、そんな仕事がしたかったです………。
2018/05/02 (Wed) 00:20
プロフィール
Author:左沢ねあ
Illustration:森野久真


コンクリートジャングル暮らしの現代エルフ、食虫植物をはじめ、ちょっと変わった植物を育ててます✨

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